多国籍国家マレーシアでの生活
松岡 琉さん
繊維学部 化学材料学科
留学期間:2023年9月~2024年8月
留学先:マレーシアプトラ大学
留学先大学について
マレーシアプトラ大学はクアラルンプールの少し南に位置する大学で、広大な土地を有する。農学部においては、世界トップクラスの教育機関である。私は、信州大学では農業について学んでいなかったが、農業についての興味とフィールドワークへの興味があったため農学部を選択した。
留学生の数は前期後期それぞれ80人ほどで、日本人と中国人とフランス人が多かった。日本人留学生は10人ほどだった。大学には留学生を支援する団体があり、毎月イベントを開催していた。
各種手続きは対応が遅く、マレーシア時間でゆったりと進んでいるのを感じた。日本も政府機関の対応は遅いことが多いが、マレーシアはそれ以上なので早めの行動としつこく連絡をとることが大切。

学習面について
農学部は学部以外の授業も取れるとのことだったので、少しだけ他の学部の授業もとった。難易度は先生によってまちまちで、評価方法もレポートであったりテストであったり小論文であったりバラバラであった。
授業は基本的に全て英語で行われていたが、一部の農業系の授業のみ外部講師を読んでいたためマレー語と混同で行われていた。先生によっては英語の訛りがすごくて聞き取れないことがあったが、それも3ヶ月ぐらい経てばある程度慣れることができた。学生は流暢な英語を話す人が多かったため、グループワークで困ることはあまりなかった。ネイティブレベルではないことが逆に英語レベルがあっていてよかった。
農学部の授業は座学を前期、フィールドワーク系を後期にとっていた。マレーシアならではの農法や生態系の保全方法について実践的に学ぶことができて、日本にはできない経験になった。
生活について
食生活については特段困ることはなく、日本食が恋しくなることもほとんどなかった。日本食レストランもたくさんあり値段も安いので、心配する必要はないと思う。多国籍文化なこともあり、本格的な中華料理やインド料理、アラブ料理を安価に食べることができる。どれも美味しいので、必ず好みの料理は見つかると思う。
住居については、はじめの1週間はホテルに宿泊し、事前にアポを取っていたところに内見をしていた。最終的には中華系マレー人の社会人と2人でシェアハウスをすることになった。800RMで家具家電光熱費込みだったので、寮と比較するとかなりいい選択だったと思う。
留学で得たこと
月並みだが、視野を広げることができた。留学経験者が全員いうことであり、つまらないかもしれないが、本当に得ることができるものだと実感した。初めての海外だったので、何もかもが新鮮だった。留学生とたくさんともに時間を過ごして、会話をすることで、日本人の特有の考え方や、世界で見た時の自分の特徴やアイデンティティを見つけることができた。今まで興味がなかった歴史についても身近に感じることで積極的に学ぶ姿勢が身についた。
英語能力ももちろん伸びた。特に瞬発力が磨かれることで自然と会話できるようになった。いろんな国の人と話すことで、それぞれの訛りに対応できるようになった。

後輩へのアドバイス
事前にできる準備は早い段階から十分すぎるぐらいした方が後悔なく充実した留学生活をおくれると思います。留学先では日本人とつるみたくない人もいると思いますが、あまりそれはお勧めしないです。何かあったときに助けてくれる日本人がいることはとても心強いですし、日本に帰ってからも一生の友達になります。もちろん日本人だけと一緒にいるのはとても勿体無いことなので、日本人も外国人もごちゃ混ぜのグループで行動するのが理想だと思います。あとはそういったグループで海外旅行に行くのもおすすめです。留学先に留まらず、付近の国へ旅行すると文化や価値観の違いを何度も目の当たりにします。とにかく留学を迷ってる方は絶対行ったほうがいいです。お金も英語も向こうでの生活もなんとかなります。楽しむ気持ちを忘れずに挑戦してみるときっといい経験になると思います。応援しています。
知の森基金へのメッセージ
知の森基金があったおかげで私の留学が実現したと言っても過言ではありません。他の奨学金を受給することができなかったので、大きな支えとなりました。心から感謝を申し上げます。私が社会人になった暁には、今回助けていただいた恩を、知の森基金への出資者として次の世代へお返ししたいと思います。皆さんにいただいた機会で得た貴重な経験を活かし、社会に還元していくことを約束します。

